緩和ケア病棟で出会った患者さんのエピソードです。
こんにちわ、iwata(@iwamegane)です。薬剤師として緩和ケア病棟を専任し19年。その経験をもとに、患者さんとのエピソード、緩和ケアに関連する薬について情報発信しています。緩和薬物療法認定薬剤師。
40代男性、がんではありませんでした。肝腎症候群の患者さん。回診の時に、一度しかあったことはありません。先週、入院され会話できていました。
カルテに記載されていた看護師さんとの会話です。
「ガリガリ君食べたいな、さいごの晩餐だね。」
「冷たい水が飲みたい」って言ってさ、おいしそうに飲んだんだよ。…お母さんが来るの待ってたんだね。
と、お父さんの言葉が記されていました。お母さんが来て、呼びかけにうなずいたそうです。そして、間もなくお母さんと、お父さんに見守られて息を引き取りました。
自分にも子供がいます。自分の子供を看取る両親の気持ちは想像もつきません。いくつになっても子供は子供、親や親ですね。
肝腎症候群
肝硬変末期において、肝不全が不可逆的に進行した時期に発症する。本態は、腎皮質血管の攣縮による腎内血行動態の不安定状態と腎内血流分布異常で、著しい腎血流障害と糸球体濾過値の減少とは対照的に尿細管機能が保たれている点が急性尿管壊死と異なる。本症候群は可逆的な機能性の病態で、肝移植が成功すると腎不全は速やかに回復する。
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