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【解説】オキシコンチン内服から注射へ変更、症例を通じて解説します。

オキシコンチン錠が飲めなくなりました。注射薬へ変更する方法は?

iwata

本記事では、上記のような悩みを解決します。

自己紹介

こんにちわ、iwata(@iwamegane)です。薬剤師として緩和ケア病棟を専任し19年。その経験をもとに、患者さんとのエピソード、緩和ケアに関連する薬について情報発信しています。

目次

オキシコンチン内服から注射へ変更

前立腺がん80代男性。枕元にはいつもぬいぐるみが置いてありました。茶色いねこ、そして犬の写真も部屋に飾ってありました。ご家族はとても協力的で、先々週の週末は1泊で外出に行ってきました。今週に入り部屋に伺ったところ、眼をつむって寝ていました。明らかに、先週と比べ状態は変化してることが感じ取れました。

骨転移の影響で、腰部痛がありました。ロキソプロフェンとオキシコンチン®錠にて疼痛コントロール良好でした。オキシコンチン®錠1日60㎎服用していました。朝の申し送りで、朝分のオキシコンチンは服用できていないとの事でした。おそらく、オキファスト®注への変更を考えました。

オキシコドン注へ換算を考える

オキファスト注へ変更する場合
オキシコドン内服:オキシコドン注射=3:2
オキシコンチン®60㎎×2/3=オキファスト®注40㎎
換算比は目安のため、過量投与による有害事象発現のリスクを考え、70%量にて換算します。そして、疼痛時の早送り(レスキュー)の回数によって用量調整をすることで、より安全に変換することが出来ます。
・注射薬投与時の疼痛時の頓用は、1時間量(1/24量)を早送りします。
・24時間で3回程度早送りする場合は増量していきます。
・増量幅は20~30%ずつ増量していきます。

(推奨する1日投与量)
オキファスト®注40㎎×70%=28㎎

(推奨する処方例)
オキファスト®注(50mg/5mL)+注射用水1mL 全量6mL
持続皮下投与 0.15mL/時  オキファスト®1日投与量30㎎
疼痛時、1時間量早送り 30あけて繰り返し可
小型ポンプを利用することで、0.05mL/h1単位で流速調整可能です。

(せん妄のためセレネース注を混合する場合の推奨する処方例)
オキファスト®注(50mg/5mL)+セレネース注(5mg/1mL)0.5A+注射用水0.5mL 全量6mL
持続皮下投与 0.15mL/時  オキファスト1®日投与量30㎎
疼痛時、1時間量早送り 30あけて繰り返し可
小型ポンプを利用することで、0.05mL/h1単位で流速調整可能です。

希釈液は注射用水を使用する

本来であれば浸透圧による細胞への影響を考慮し、希釈液には生理食塩水をいます。しかし、以下の理由から注射用水を使用します。
・せん妄出現時、及びせん妄予防にたいし、セレネース®注(ハロペリドール)を混合でき
・セレネース注と少量の生理食塩水は24時間後に結晶析出する。
・1時間あたりと投与量は微量である
・皮下投与のため、静脈内投与より浸透圧差による影響は少ない

ヒドロモルフォンへの変更する場合

ヒドロモルフォンの注射剤であるナルベイン注には、濃度の違う製剤があります。
ナルベイン®注0.2%製剤(2mg/1mL)、ナルベイン®注1.0%製剤(20mg/2mL)
疼痛増強が想定される場合、疼痛に合わせてオピオイドの増量される可能性があります。高濃度製剤があると全量を増やすことなく、成分のみ増量することができます。そこで、事前にナルベイン注へオピオイドスイッチングする場合もあります。換算量を計算する時、モルヒネ内服を中心に考えると換算しやすいです。

(推奨する1日投与量)
オキシコドン内服:モルヒネ内服=3:4
オキファスト60㎎/日×4/3=モルヒネ内服80㎎/日
モルヒネ内服:ヒドロモルフォン注射=25:1
モルヒネ内服80㎎/日×1/25=ナルベイン注3.2㎎/日
ナルベイン注3.2㎎×0.7=2.24㎎

(推奨する処方)
ナルベイン注(2㎎/1mL)2A+注射用水4mL  全量6mL
持続皮下投与 0.15mL/時  ナルベイン®注1日投与量2.4㎎
疼痛時、1時間量早送り 30あけて繰り返し可

結果、処方された内容

オキファスト®注(50mg/5mL)+セレネース注(5mg/1mL)0.5A+注射用水0.5mL 全量6mL
持続皮下投与 0.2mL/時  オキファスト1®日投与量40㎎
疼痛時、1時間量早送り 30あけて繰り返し可


息子さんに見守られて

オキファストに変更となり、疼痛コントロール良好にて経過しました。
その日の夜、徐々に血圧は低下し、呼吸数も少なくなってきました。
息子さんが付き添われていました。

「来たよ、わかるか?」

と、頭をなでながら言葉をかけると、かすかに頭を動かし息子さんと会話をしていました。
その数時間後、呼吸停止され死亡確認となりました。

おうちに帰って、ねこちゃんとワンちゃんに会えたかなぁ。ご冥福をお祈りします。

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この記事を書いた人

緩和薬物療法認定薬剤師。

1978年に千葉県銚子市生まれ、地元高校へ進学。その後、日本大学薬学部へ入学。卒業後、地元の病院に就職。勤務2年目から緩和ケア病棟を専任し20年。その経験をもとに「病棟で出会った患者さんとの素敵なエピソード」、実際に経験をもとに「緩和ケアに関連する薬の使い方」など情報発信しています。

趣味はスポーツ、アウトドア。高校からラグビーを始め、現在は小学生を対象に銚子ラグビースクールのコーチを務めています。また、「庭で焚火を楽しんで、夜のベットで寝る」程度のアウトドアを楽しんでいます!もう一つのブログ「銚子のぬし釣り」では、その程度のアウトドア情報を発信しています。

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