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緩和ケア病棟の患者さんから、ウクレレ習いました。

7月18日、銚子音楽祭。ウクレレはいい音色です。実は、僕もウクレレを持っています。2010年、春のちょっと前。緩和ケア病棟で担当だったIさんの部屋を訪問すると、スチールギターが置いてありました。初めてみた楽器でした。ギターを横にしたような楽器です。部屋で演奏してくれました。音色は柔らかいキレイな音色、そして独特な雰囲気の流れを感じるような音色でした。

若いころに、バンドを組んでいたそうです。容姿はすらっとした長身で、バンドマン!って感じのおじいさんでした。スチールギターの他にソファーにはウクレレが置いてありました。部屋でウクレレも演奏してくれました。ウクレレにはコードがあってそれを組み合わせれば曲になることを教えてくれました。「ウクレレはこんなに簡単なんだ」と思い、ウクレレを購入しました。


病棟の看護師さん数名もウクレレを購入しました。そして、緩和ケア病棟でウクレレクラブを結成しました。ウクレレクラブの名前は、初めて購入したウクレレのメーカー名から「Hanarei」にしました。週1回集まり、コードを練習をしました。チューナーが無いと音が合わせられないのでIさんの部屋に行き、チューナーを借りていました。

練習としているうちに、Iさんの持っているウクレレと音色が全然違うことに気が付きました。そこで、Iさんの所有していたウクレレと同じメーカーのFamousのウクレレをネットオークションで購入しました。材質や作り方が違うんだと思いますが
音色や響きが全然違うことに驚かされました。

左 hanarei 、右Famous  2010.7

Iさんは、僕が練習していることを知り、手書きでコード表を作成してくれました。「銀座の恋の物語」など数曲作成してくれました。今でも、病院のロッカーに大切にしまってあります。音楽は好きです。音楽を聴いている時、演奏している時は音を楽しむことで、他の事を忘れることができます。

2010年、春。

病院の近くの公園で職場の仲間と花見をしていました。その時、緩和ケア病棟の助手さんから電話がきました。Iさんが亡くなったという知らせでした。休日に、患者さんのことで薬剤師である僕に連絡が来たのは、これが最初で最後の出来事です。花見をしながら、お世辞にも上手なんて言えないウクレレをちょっとだけ演奏しました。来年の春、みんなで花見が出来たら久しぶりにウクレレを持っていきたいです。


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この記事を書いた人

緩和薬物療法認定薬剤師。

1978年に千葉県銚子市生まれ、地元高校へ進学。その後、日本大学薬学部へ入学。卒業後、地元の病院に就職。勤務2年目から緩和ケア病棟を専任し20年。その経験をもとに「病棟で出会った患者さんとの素敵なエピソード」、実際に経験をもとに「緩和ケアに関連する薬の使い方」など情報発信しています。

趣味はスポーツ、アウトドア。高校からラグビーを始め、現在は小学生を対象に銚子ラグビースクールのコーチを務めています。また、「庭で焚火を楽しんで、夜のベットで寝る」程度のアウトドアを楽しんでいます!もう一つのブログ「銚子のぬし釣り」では、その程度のアウトドア情報を発信しています。

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