70 代、腎がんの患者さん。特に苦痛もなく、過ごされていました。衰弱か、がん悪液質か、昨日お看取りとなり退院されました。こういう患者さんに出会うと、考えさせられることがあります。
回診の時、いつも部屋のソファーに座っていました。自宅で過ごしても、問題ないのですが、家族から、自宅退院の希望がありませんでした。
「自宅で過ごした方が良いのになぁ」と思うのは、僕のエゴかもしれません。この患者さんとご家族の間にはどんなことがあったのかわかりません。家族との関係性に影響がでるような生き方をしてきたのかもしれません。患者さんは、病室ですごされていて辛そうな感じは全然ありませんでした。
自宅に帰りたい!と強く言うこともありませんでした。やはり、「自宅で過ごす」ということは、僕のエゴだったのかとは思います。でも、なんだか気になってしまいます。できる限りの資源を活用すれば家族への負担を軽減することもできますし入院費も必要ないので経済的なメリットもあります。でも、全然苦痛がなく落ち着いていても自宅では過ごすのではなく最期まで病院で過ごされる患者さんがいます。極端な話、近くに病院が無ければ入院することもできずに必然的に自宅で過ごすしかないのになぁと、思ってしまうこともあります。
こうやって文章に書くことで、自分の中で少しでもモヤモヤがとれるかなぁとは思います。大きな変革を起こせないですが少しでも「自宅で過ごす」ことに何かできないか考えていきたいです。
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