薬学部5年生は保険薬局と病院でそれぞれ11週ずつ現場で実習を行います。今日も、学生さんを引き連れ病棟実習を行いました。朝の申し送りから回診、医師との話し合いなど学生が直接かかわるわけではありませんが、僕と一緒に薬物療法など検討していきます。
病院実習のまとめとして、症例報告を行います。色々な病棟をまわるので、消化器内科だったり、小児科だったり興味のある薬物療法について患者さんい同意をもらい症例報告をまとめていきます。前回、きた学生さんが緩和ケア病棟で関わった患者さんについて症例報告を行いました。
50代の子宮がんの患者さん、20代の娘さんが毎日付き添われており、ちょうど学生さんと同じ年齢でした。実習に回っている時に、患者さんが誕生日を迎えました。病棟スタッフで昼にハッピーバースデーを歌いささやかなプレゼントをお渡しします。学生さんが、私からも手紙を渡したいということで、準備していました。誕生日当日、患者さんはとても喜んでいました。学生さんも患者さんに手紙をわたしたらとても喜んでいました。さらに、付き添われている娘さんにも手紙を書いて渡しました。娘さんも、とても喜んでいました。患者さんにプレゼントを渡したいと言ってきた学生さんは初めてでした。
がんによっておこる様々な苦痛に対して、緩和ケアを行っています。全ての苦痛をゼロにすることはかなり難しいです。そんな中、数十分でもがんのことを忘れうれしい気持ちになれるのは、とても良いことだと思います。ご家族も嬉しい気持ちになれるのは、さらに良いことだと思います。薬学部の病院実習として薬物療法を学ぶことはもちろん大切です。この学生さんは、人と人とのつながりを、そのつながりで、お互いにどのような気持ちになれるのか何か感じ取れたのではないかと思います。僕は、患者さんとその娘さん、そして学生さんがみんなが、とてもうれしい気持ちを共有できたのではないかと、思いました。
患者さんへ症例報告を同意をお願いするとみなさん快諾してくれます。今まで、100%で同意してくれています。人は最期まで誰かの役に立ちたいという気持ちがあるんだと思います。誰かに役に立てる、自己重要感につながるのだと思います。
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