このブログは、緩和ケアチームで出会った患者さんのエピソードを記録しています。
こんにちわ、iwata(@iwamegane)です。薬剤師として緩和ケア病棟を専任し19年。その経験をもとに、患者さんとのエピソード、緩和ケアに関連する薬について情報発信しています。
30代の子宮がんの患者さん。子供の頃に患った脳症のため、寝たきりの生活でした。最近、子宮がんと診断されました。
緩和ケアチームの回診で訪問しました。患者さんは、眼を開けていますが発語はありません。ベットサイドに、お母さんが付き添っていました。そっと顔を撫でると、お母さんの方に目線が向きます。「〇〇ちゃん」と声をかけると、お母さんの方に目線が向きます。
言葉を発することは出来ないかもしれませんが、お母さんと、ちゃんと会話をしていました。お母さんの顔が、とっても優しい顔でした。腹部痛に対して、少量のナルベイン注にて疼痛コントロール良好でした。疼痛の訴えはできませんが穏やかな表情で過ごされていたことから客観的に苦痛なく過ごされていると判断できると考えます。
翌日、緩和ケア病棟へ行くと緩和ケアチームの看護師から、その患者さんは今朝亡くなったことを伝えられました。お母さんに、見守られ旅立ちました。きっと、患者さんも、お母さんも穏やかな表情だったんだろうなぁ、と思います。この親子さんに、1回しか会っていません。それも、ほんの数分です。でも、いい親子さんだったと思いました。親子って、絶対的な関係なんだなぁと思いました。これからも、ずーと親子なんだろうなぁ。
ご冥福をお祈りいたします。
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