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がん悪液質に効果のある「エドルミズ®錠50mg」発売!

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医薬品情報

選択的かつ新規の経口グレリン様作用薬。グレリンは、主に胃から分泌される内因性ペプチドです。グレリンがその受容体に結合すると、体重、筋肉量、食欲および代謝を調整する複数の経路を刺激します。エドルミズは、がん悪液質の患者さんにおける体重および筋肉量の増加並びに食欲の増加効果効果を示します。

一般名:アナモレンリン錠50mg
【効能・効果】悪性腫瘍(非小細胞癌、胃癌、膵癌、大腸癌)におけるがん性悪液質
【用法・用量】通常、成人には100mgを1日1回、空腹時に経口投与する。
薬価基準収載日 2021年4月21日 薬価 246.40円/錠 
製造販売 小野薬品工業株式会社

スイスHelsinn Healthcare SA (Helsinn Group企業)と締結しているライセンス契約に基づき、日本・韓国・台湾で独占的に開発・商業化する権利を取得しています。Helsinn社は、他の全世界での全権利を保留しています。

参考:
(小野薬品HP ニュース)グレリン様作用薬「エドルミズ®錠50㎎」新発売のおしらせ
(ONCOLOGYオノオンコロジー)エドルミズを使用される方へ

がん悪液質について

がんの進行ともに多くの患者が、食欲不振や体重減少を経験し、次第に不可逆的な栄養不良に陥る。中等以上の食欲不振は、がん患者の半数以上にみられると報告されている。また、体重減少はがんの原発部位や進行度によって報告による差はあるものの、がん患者の30~80%に認められている。

悪液質は、栄養不良により衰弱した状態をさす言葉で古くから用いられてきた。以前より、悪液質はがんに限らず、種々の慢性消耗性疾患における栄養不良の終末像であり、治療抵抗性で患者の予後やQOLを悪化させることが知られていた。 

「がん悪液質とは、従来に栄養サポートで改善することは困難で、進行性の機能障害をもたらし、(脂肪組織の減少の有無にかかわらず)著しい筋組織の減少を特徴とする複合的な代謝障害症候群である。病態生理学的には、経口摂取の減少と代謝異常による負の蛋白、エネルギーバランスを特徴とする。」

日本緩和医療学会「がん悪液質の概念と最近の経口」

がん終末期、食べれないことは自然です

がんの患者さんは、がん自体が体を弱めていきます。最期まで、ご飯をたくさん食べる方はいません。代謝は低下してきます、体も栄養を必要としなくなり食欲も低下します。患者さんに「食べたい」と思わなくなってきます。徐々に食べれなくなってきますが、自然な流れです。でも、患者さんは体力をつけたいと思い、ご家族は体力を付けてほしいと思います。「なにか食べなくては」と頑張って食べたい気持ちがあります。

ご家族へは、医師や看護師から「代謝が落ちているので逆に食べることが負担になること」「嚥下機能が落ちていることによる誤嚥性肺炎のリスク」など繰り返し説明していきます。「自分がやりたいことに体力をとっておきましょう」と体力温存療法を説明したりします。それでも、患者さん、家族の納得の上、最期まで食べたいという方もいます。患者さんや家族の気持ちに寄り添いながら、一番よい選択肢を考えていきます。

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この記事を書いた人

緩和薬物療法認定薬剤師。

1978年に千葉県銚子市生まれ、地元高校へ進学。その後、日本大学薬学部へ入学。卒業後、地元の病院に就職。勤務2年目から緩和ケア病棟を専任し20年。その経験をもとに「病棟で出会った患者さんとの素敵なエピソード」、実際に経験をもとに「緩和ケアに関連する薬の使い方」など情報発信しています。

趣味はスポーツ、アウトドア。高校からラグビーを始め、現在は小学生を対象に銚子ラグビースクールのコーチを務めています。また、「庭で焚火を楽しんで、夜のベットで寝る」程度のアウトドアを楽しんでいます!もう一つのブログ「銚子のぬし釣り」では、その程度のアウトドア情報を発信しています。

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