MENU

緩和ケア病棟のエピソード。息子さんの転勤を知っていた。

70代女性、甲状腺がんの患者さん。

その日の朝の回診で普通に会話していました。西側の部屋で、いつも穏やかに過ごされていました。薬を飲めてはいましたがやや飲むのが大変な印象がありました。回診で飲んでいる薬が再検討されました。痛み止めのオピオイド鎮痛薬は持続皮下投与で使っていました。

看護師さんに聞いたのですが、昼も普通に会話していたそうです。その日の夕方から発熱し、反応がなくなりました。息子さんに連絡し来院してもらい息子さんに見守られて、息を引き取りました。

「今日の会議で、本社に転勤が決まったんです。以前から話があり、母も心配していました。本社に移動して転勤になった、私の世話も大変だろうから施設か緩和ケア病棟に行くと言っていました。なんで今日なんでしょう、…今日だったんですね。」

息子さんより聞いた話

息子さんの本社への移動を知っていたのかもしれませんね。患者さんの意識は会議室に飛んで息子さんの転勤を知っていたのかもしれません。「子供に気を使わせてはいけないね、そろそろ逝こうかなぁ…」と思ったのかもしれません。

実は、ちょうどこの時間に西側の違う部屋でお看取りとなった患者さんがいました。この患者さんは重症観察となっていました。同じ時間帯に二人の患者さんがお看取りとなりました。何処から来たかは、わかりませんが電車か車かお迎えが来て乗せてもらったのかなぁ、なんて思いました。

コチラがわからは、向こう側は見えません。向こう側からは、コチラが見えているのかもしれませんね。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

緩和薬物療法認定薬剤師。

1978年に千葉県銚子市生まれ、地元高校へ進学。その後、日本大学薬学部へ入学。卒業後、地元の病院に就職。勤務2年目から緩和ケア病棟を専任し20年。その経験をもとに「病棟で出会った患者さんとの素敵なエピソード」、実際に経験をもとに「緩和ケアに関連する薬の使い方」など情報発信しています。

趣味はスポーツ、アウトドア。高校からラグビーを始め、現在は小学生を対象に銚子ラグビースクールのコーチを務めています。また、「庭で焚火を楽しんで、夜のベットで寝る」程度のアウトドアを楽しんでいます!もう一つのブログ「銚子のぬし釣り」では、その程度のアウトドア情報を発信しています。

コメント

コメントする

目次