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患者さんと「お絵かき先生」で良好なコミュニケーションを図れました。

90代のおばあちゃん、昔は踊りの先生だったそうです。難聴があります。回診時「起こして!起こして!」と言ってきます。こっちの声はなかなか聞こえないのですが、筆談でコミュニケーションはとれます。ここで登場するのが「お絵かき先生」です。小さい頃、遊んでいたペンで書いて、レバーをひくと消えるやつです。仕組みとしては、磁石の力だと思います。医師がお絵かき先生に「まってて」と書くと「はい!」と返事してくれます。とてもクリアに会話できるんです。

数日後「お絵かき先生」は役目を終えました。緩和ケア病棟に行くと、スタッフの伝達に使われているホワイトボードに「死亡確認時間」が書かれていました。お見送りに同席させてもらいました。淡い緑地に桜があしらわれている着物を着ていました。とっても似合っていました。踊りの先生だったので、着物が似合うんですね。以前、部屋に行くと眠っているですが、手は踊っていることがありました。今頃、踊りを誰かに教えているかもしれませんね。

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この記事を書いた人

緩和薬物療法認定薬剤師。

1978年に千葉県銚子市生まれ、地元高校へ進学。その後、日本大学薬学部へ入学。卒業後、地元の病院に就職。勤務2年目から緩和ケア病棟を専任し20年。その経験をもとに「病棟で出会った患者さんとの素敵なエピソード」、実際に経験をもとに「緩和ケアに関連する薬の使い方」など情報発信しています。

趣味はスポーツ、アウトドア。高校からラグビーを始め、現在は小学生を対象に銚子ラグビースクールのコーチを務めています。また、「庭で焚火を楽しんで、夜のベットで寝る」程度のアウトドアを楽しんでいます!もう一つのブログ「銚子のぬし釣り」では、その程度のアウトドア情報を発信しています。

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