呼吸困難感とは?
どういった症状なんだろう
本記事では、上記のような悩みを解決します。
こんにちわ、iwata(@iwamegane)です。薬剤師として緩和ケア病棟を専任し19年。その経験をもとに、患者さんとのエピソード、緩和ケアに関連する薬について情報発信しています。
呼吸困難感の定義
無意識に行われる呼吸が何らかの原因で意識され不快や苦痛に感じる感覚。
緩和医療薬学会 第23回教育セミナー
サチュレーション保っていても苦しいです!
呼吸不全とは、動脈血中の酸素分圧(PaO2)が60Torr(mmHg)未満の状態です。これを経皮的酸素飽和度(SPO2)に換算すると、SPO2 90%になります。病棟で「サチュレーションは98%です。」など申し送りの時、看護師さんが話している数値ですね。つまり、SPO2が90%以下になると呼吸不全という状態です。しかし、SPO2が低く90%以下でも呼吸が苦しくないと感じる患者さんはいます。突然低くなったのではありません。SPO2が低い状態で体が慣れているんですね。もちろん、急にSPO2が低下すれば呼吸は苦しいと思います。また、「SPO2は98%です」と言っても呼吸が苦しいと感じる患者さんもいます。一生懸命頑張って呼吸をしてSPO2を保っているんです。呼吸困難を判断する時はSPO2、患者さんの訴えをもとに判断していく必要があると思います。
薬物療法
呼吸困難に対しては、酸素吸入、薬物療法、環境設定など治療やケアが行わえていきます。薬物療法としては、モルヒネや抗不安薬を使用します。また、最近ではヒドロモルフォンを使用します。ヒドロモルフォンは構造がモルヒネに似ていることから呼吸困難に対して効果があると言われています。薬物治療方法などは、多くの緩和ケア関連のマニュアルや緩和医療学会のガイドラインにも掲載されています。
送風療法
薬物療法ではありませんが、窓を開けたり、うちわで扇いだり顔に風をあてると呼吸困難は和らぎます。緩和ケア普及のための地域プロジェクトのホームページにあるパンフレットの中に「息切れ、息苦しさに困った時」があります。そこの環境整備にも記載されています。顔にある感覚器で風を感じることで脳的に呼吸困難が緩和されるようです。以前、呼吸器内科の医師に教えてもらいました。様々な原因で呼吸困難になると思います。子供が小さい時、咳き込んで苦くて、なかなか寝付けない時にうちわで扇いであげたことがあります、とても気持ちよさそうだったことを覚えています。
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