オキシコンチン錠が飲めなくなりました。注射薬へ変更する方法は?
本記事では、上記のような悩みを解決します。
こんにちわ、iwata(@iwamegane)です。薬剤師として緩和ケア病棟を専任し20年。その経験をもとに、患者さんとのエピソード、緩和ケアに関連する薬について情報発信しています。
現在の内服薬
ロキソプロフェン錠、アセトアミノフェン錠、マグネシウム製剤、ゾピクロン錠
患者背景
60代男性、胃がんの患者さん。
食欲低下、るい痩著名、がん性悪液質が進行していると思います。先週は、会話もできており、状態の悪化している印象でした。身体的苦痛として、下腿部のしびれを伴う疼痛。内服薬服用中は、疼痛コントロール良好でした。状態の悪化から、血管は細くなっており静脈ルート確保は困難でした。頑張れば、静脈ルート確保は出来るかもしれない状況。
提案内容
- 内服薬は全て中止する
- オキファスト注の持続皮下投与へ変更する
内服薬を全て注射薬へ変更することで現状と同じ薬物療法を継続することは出来ます。しかし、静脈ルート確保困難な状況のため、ルート確保すること自体の侵襲が患者さんへの苦痛となってしまいます。予後が週単位と予測されるため、意識レベルの低下もあります。「全て薬物療法を継続するメリット」「静脈ルートを確保によるデメリット」を比べてると、ロキソプロフェン錠、アセトアミノフェン錠と同等の注射薬を投与せず、オピオイド鎮痛薬は継続とし、疼痛コントロールを行っていくことが良いと考えました。
オキシコドン注射薬へ換算
- 効果が出やすくなる可能性を考え、30%程度少ない換算量
- 状態が悪い
オキシコドン内服:オキシコドン注射薬=4:3
オキシコドン内服40㎎=オキシコドン注射薬30㎎
以上の点を考慮し、オキシコドン注射薬20~30㎎が妥当であることを医師へ推奨しました。また、小型ポンプ(テルモ社)を使用することで、0.05mL/h単位で投与可能であることを伝えました。持続皮下投与を行う時は、流用速度が増えると皮膚へのダメージが増えることから出来るだけ少ない流量で投与し方が負担が少ないです。
変更後の処方内容
オキファスト注射薬®(10㎎/1mL) 4A
生理食塩液 2mL
持続皮下投与 0.15mL/h (24㎎/day)
疼痛時 1時間量早送り 1時間あけて繰り返し投与可
患者へ説明
病室をラウンドした時に、患者さんへ注射薬へ変更となることを説明しました。しかし、がんの病状悪化に伴いがん性悪液質の進行もあり、認知力低下、全身倦怠感も強いです。「もう、死んちゃうかもしれない!」と言われましたが、「まずは、痛みをとれるよう注射薬を使いますね」と、しか答えることが出来ませんでした。全身倦怠感を摂り切ることは難しいです。そんなときの患者さんからの訴えに足して、気の利いた事を言うこともできません。まず、痛みをとることを伝えることしか、出来ませんでした。少しでも、患者さんに寄り添う気持ちがあることを出来るだけ伝えられるように関わりたいと思います。
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