ナルベイン注 添付文書/用法及び用量に関する注意
フェンタニル貼付剤から本剤へ変更する場合には、フェンタニル貼付剤剥離後にフェンタニルの血中濃度が50%に減少するまで17時間以上かかることから、剥離直後の本剤の使用は避け、本剤の使用を開始するまでに、フェンタニルの血中濃度が適切な濃度に低下するまでの時間をあけるとともに、本剤の低用量から投与することと考慮する。
参考:ナルベイン注添付文書
変更するタイミング
先行のオピオイドを剥離後、6~12時間後に新規オピオイド開始(または約6時間後に半分の流速で開始、12時間後に換算量に増量)
オピオイドスイッチングの注意点
・換算比に基づいて概算する。(換算比はあくまで目安)
・オーバードーズを懸念し換算量の30%減にて開始する。
・やや低力価換算で奏功することが多い。(フェンタニル耐性)
・疼痛強ければ、等換算もしくは増量した用量で開始される。
・夜間帯より日勤帯に変更する。(スタッフが多いので観察しやすい)
・用量が大量の場合、数回に分ける。 (オーバードーズ、耐性を懸念)
Q.大量とはどのくらいの量ですか?
モルヒネ内服量として1日投与量300㎎前後であれば、安全に切り替えるため2回に分けてオピオイドスイッチングを行えます。
薬剤師から処方提案
フェントステープを剥がした後、6~8時間後を目安にナルベイン注の投与を開始します。フェントステープを剥がすタイミングですが、看護師さんの人数が多い日勤帯にしたほうが、有症時(副作用、耐薬症状など)に対応可能のため、より安全に実施できます。夕方、フェントステープを中止し翌朝開始とすると、夜間に病棟が手薄の状態で、副作用や疼痛コントロール不良な時の対応をする必要があるので避けた方がよいです。
変更タイミング例
8:00 フェントステープ4㎎剥離
16:00 ナルベイン注持続皮下投与開始。 1日投与量3.4(70%)~4.8(100%)㎎
16:00のナルベイン注投与開始までに、痛みが出現するようであれば、持続投与開始する、もしくは持続投与は開始しないがルートを確保し1時間量の早送り(レスキュー)を投与して対応する。
処方例
持続皮下投与であれば、投与部位の刺激軽減目的で出来るだけ投与量を少なくします。皮下投与と静脈内投与と、鎮痛効果はかわりません。
① 持続皮下投与の場合
ナルベイン注(2㎎/1mL)3A+注射用水3mL 全量6mL 持続皮下投与
投与速度 0.15mL/h(3.6mg/day)~0.2mL/h(4.8mg/day)
② 静脈内投与
ナルベイン注(2㎎/1mL)3A+NS9mL 全量12mL 持続静脈内投与
投与速度 0.3mL/h(3.6mg/day)~0.4mL/h(4.8mg/day)
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