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緩和ケア病棟で薬剤師が使う参考書

緩和ケア病棟を担当したときに、緩和ケアについて初めて勉強した本は「がん疼痛治療のレシピ」です。

発売、2006年12月。ページ数、147ページ、ポケットにも入ります。薄い手帳くらいです。本気を出せば、すぐに読み終えることが出来ます。現在は、緩和ケアの薬物療法で困った時に参考にしているのは、「緩和ケアレジデントマニュアル」です。


2016年8月発売、ページ数、439ページ。10年経って、本の厚さが3倍になりました。症状コントロールに対して使用される薬剤も変わってきました。例えば、当時鎮痛補助薬といったら、抗うつ薬や抗けいれん薬を使っていました。がん性の痛みには適応はありませんが、使用されていました。

現在、神経障害性疼痛に適応のあるプレガバリン(リリカカプセル®)が2017年に、ミロガバリン(タリージェ錠®)は2019年に発売され、使用されています。抗うつ薬であるアミトリプチリン(トリプタノール®錠)は、2012年に神経障害性の疼痛に適応が拡大されました。

便秘の薬についですが、2012年11月販売された腸液分泌抑制作用を持つルビプロストン(アミティーザ®カプセル)、2017年3月発売された慢性便秘治療薬リナクロチド(リンゼス®錠)、2017年6月発売されたオピオイド誘発性便秘治療薬ナルデメジン(スインプロイク®錠)、2018年4月販売された胆汁酸トランスポーター阻害剤エロビキシバット(グーフィス®錠)など、登場しました。

他にも、オピオイド鎮痛薬、制吐剤、入眠剤の使い方など、ここ10年を見てみても緩和ケア領域の薬物療法に使用される薬剤はたくさん販売され、使用方法も変化してきました。色々な苦痛緩和を図るために色々な薬が使用されています。

ぶっちゃけ、便秘に対して使用する薬は経済効果(安価)も考え、マグネシウム製剤やセンノシド製剤を使用する場面は多いです。これは、10年前と同じです。まずは、シンプルにですね!

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この記事を書いた人

緩和薬物療法認定薬剤師。

1978年に千葉県銚子市生まれ、地元高校へ進学。その後、日本大学薬学部へ入学。卒業後、地元の病院に就職。勤務2年目から緩和ケア病棟を専任し20年。その経験をもとに「病棟で出会った患者さんとの素敵なエピソード」、実際に経験をもとに「緩和ケアに関連する薬の使い方」など情報発信しています。

趣味はスポーツ、アウトドア。高校からラグビーを始め、現在は小学生を対象に銚子ラグビースクールのコーチを務めています。また、「庭で焚火を楽しんで、夜のベットで寝る」程度のアウトドアを楽しんでいます!もう一つのブログ「銚子のぬし釣り」では、その程度のアウトドア情報を発信しています。

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