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「なにも出来ない」ではなく「◯◯が出来ている」と思う方がお得です。

患者さんに「死にたい」言われたとき、どうしますか?

iwata

色々な考え方があり、明確な答えはありません。
今回、1つの考え方についてお話しします。

〇〇が出来ていると考える!

そばにいて、一緒に考えることが出来ています、「それ」しか、ではなく「それ」が出来ていますよ。

損する思い
得する思い
  • 声をかけることしか出来ない
  • 声をかけることが出来ている

患者さんの情報

70代女性、胆管がんの患者さん。難聴があります。疼痛や、嘔気など身体的苦痛はありません。しかし、部屋に行くと「早く楽にしてください」と言ってきます。スピリチュアルペイン、精神的な苦痛がありました。何か力になりたいと思い、なんで死にたいと思うか確認したいのですが難聴があり、確認することができません。字を書く元気はなく、筆談もできません。なにも出来ないなぁ、と思いつつ部屋をでるときに耳元で「一緒に考えていきましょうね」と大きな声で言いました。

緩和ケア医師から、教えてもらった事

飲み込みが大変になってきていたので、ちょうど内服の整理を検討するために医師と相談する予定でした。そこで、何も出来なかったです、「一緒に考えましょう」としか、言えませんでしたと医師へ話しました。

そばにいて、一緒に考えることが、出来ていますよ。
「それ」しか、ではなく「それ」が出来ていますよ
そして、出来ている事をみんなで共有してください。

そうですよね、何も出来ない、どうしようぅ…と悩んでしまうと、どんどん悩んでしまいそうです。でも、難しいのはあたりまえ、少しでも出来ていることを「◯◯が出来ている」と考えたほうが、お得ですよね。医師はさらに、この事を、自分一人で出来てる!と思うよりも、誰かと共有してその人から、伝えてもらうと良いですよね。と教えてくれました。確かに、自分一人で考えると自己満足で終わってしまいそうです。まずは患者さんに会いに行く、そして誰かと共有する。これはどんな状況でも出来ることです。基本的がことですが、大切だと思いました。

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この記事を書いた人

緩和薬物療法認定薬剤師。

1978年に千葉県銚子市生まれ、地元高校へ進学。その後、日本大学薬学部へ入学。卒業後、地元の病院に就職。勤務2年目から緩和ケア病棟を専任し20年。その経験をもとに「病棟で出会った患者さんとの素敵なエピソード」、実際に経験をもとに「緩和ケアに関連する薬の使い方」など情報発信しています。

趣味はスポーツ、アウトドア。高校からラグビーを始め、現在は小学生を対象に銚子ラグビースクールのコーチを務めています。また、「庭で焚火を楽しんで、夜のベットで寝る」程度のアウトドアを楽しんでいます!もう一つのブログ「銚子のぬし釣り」では、その程度のアウトドア情報を発信しています。

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