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【緩和ケア病棟の患者さん】大好きな孫の誕生日をお祝いしたい!

70代の食道がんの患者さん。

緩和ケア病棟へ入院した後、出血してしまい状態が悪化しました。主治医より、ご家族へ今夜かもしれませんと説明がありました。その後、なんとか状態は安定していました。回診の時、声は小さいですが主治医の問いかけに、しっかりと返答していました。

呼吸困難あり、昨日の夜(入院した日)からヒドロモルフォンの持続皮下投与が開始されていました。

今日の朝、緩和ケア病棟の朝の申し送りで、息子さんたちに見守られながらお看取りとなったと、報告がありました。その時、看護師さんと息子さんの会話のカルテ記録を見つけました。

今日は、自分(息子さん)の子供の誕生日なんです。父は、とてもかわいがってくれていました。先週だめかと思っていましたが、頑張ってくれたんですね。

 

日中、病院の南側の出口からお見送りしました。ご本人も、息子さんたちもとてもよい表情でした。看護師さんが、息子さんに「お孫さんの誕生日だったから、会いたかったのかな?」と話していました。

最期に、お孫さんに会うまで頑張っていたのかもしれませんね。ご冥福をお祈りいたします。

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この記事を書いた人

緩和薬物療法認定薬剤師。

1978年に千葉県銚子市生まれ、地元高校へ進学。その後、日本大学薬学部へ入学。卒業後、地元の病院に就職。勤務2年目から緩和ケア病棟を専任し20年。その経験をもとに「病棟で出会った患者さんとの素敵なエピソード」、実際に経験をもとに「緩和ケアに関連する薬の使い方」など情報発信しています。

趣味はスポーツ、アウトドア。高校からラグビーを始め、現在は小学生を対象に銚子ラグビースクールのコーチを務めています。また、「庭で焚火を楽しんで、夜のベットで寝る」程度のアウトドアを楽しんでいます!もう一つのブログ「銚子のぬし釣り」では、その程度のアウトドア情報を発信しています。

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