MENU

緩和ケア病棟の患者さんから「お世話になりました」と伝えられました。

60代男性、肺がんの患者さん。

背部痛、呼吸困難感を緩和するため、モルヒネを投与していました。回診の時、ちょっと眠そうではありましたが理解はしっかりしており、会話も出来ていました。

「緩和ケア普及のための地域プロジェクトOPTIM」のサイト内にあるパンフレット「これからの過ごし方について」に、以下の項目が記載されています。

1、2日~数時間前の変化
  • 声をかけても目をさますことが少なくなります。
  • のどもとでゴロゴロという音がすることがあります。
  • 呼吸のリズムが不規則になったりします。
  • 息をすると同時に肩や顎が動くようになります。
  • 手足の先が冷たく青ざめます。
  • 脈が弱くなります。

2週間くらい前から、手足の先は冷たくなってきていました。残された時間は数日かと思っていました。しかし、状態は安定し数週間、会話も出来ていました。そして、先日回診に行くと医師に「お世話になりました。」と突然話しかけてきました。その日の朝、家族を呼んでくれと訴えられたので家族が付き添っていました。その日の、夕方亡くなりました。

後で、看護師さんから聞いた話です。知人や兄弟に電話で「今日、逝くから」と伝えていたそうです。自分の死がわかっていたんですね。自分が死ぬ数時間前まで意識も保たれ、死を自覚したんですね。

ご冥福をお祈り致します。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

緩和薬物療法認定薬剤師。

1978年に千葉県銚子市生まれ、地元高校へ進学。その後、日本大学薬学部へ入学。卒業後、地元の病院に就職。勤務2年目から緩和ケア病棟を専任し20年。その経験をもとに「病棟で出会った患者さんとの素敵なエピソード」、実際に経験をもとに「緩和ケアに関連する薬の使い方」など情報発信しています。

趣味はスポーツ、アウトドア。高校からラグビーを始め、現在は小学生を対象に銚子ラグビースクールのコーチを務めています。また、「庭で焚火を楽しんで、夜のベットで寝る」程度のアウトドアを楽しんでいます!もう一つのブログ「銚子のぬし釣り」では、その程度のアウトドア情報を発信しています。

コメント

コメントする

目次