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緩和ケア病棟にいる薬剤師として「死生学」を考える

「死生学」と題しましたが、大それた内容を投稿はできません。学校で学んだ!ということもありません。ただ、読んだ本からまた、自分の考えから死について書ければという気持ちで分類分けカテゴリーを作りました。

緩和ケア病棟に入院している70代男性、薬の説明に伺った時に話を聞きました。僕は死ぬことは全然怖くないんです。妻とも話はしてあります。今まで、色々経験をしてきました。癌になり、末期と説明されました。抗がん剤の治療も考えましたが治ることはないと思うので残りの時間を辛くなく過ごせればいいんです。いい時間が過ごせればいいんですよ。自分のタブレットを使って若い頃にやったウインドサーフィンの写真など見せてくれました。その1回しか話はできませんでした。その方は、数日後に息を引き取りました。

また、他の部屋に入院している60代男性。呼吸困難感があるので、苦痛を和らげるためにオピオイドの検討しました。モルヒネやヒドロモルフォンは痛みを緩和する効果の他に呼吸困難感を緩和する効果があると報告があります。しかし、その方はもうすぐ死ぬのだから、それまで薬を使って意味がありますか、とオピオイドを使うことを希望しませんでした。

今まで、いろいろな死を見てきました。死についての考え方は、人それぞれ違います。この考え方が正しい!ということもないのだと思います。また、医療者の考え方が正しい!ということもないのだと思います。

僕は緩和ケア病棟で、いろいろな死について勉強させてもらいます。その経験は、自分が生きていく中でいつか向かえる死について考える中でとても貴重なものです。

何か気の利いた事がわかるわけではないのですが、少しでも何かを感じていきたいと思います。関わらさせて頂いてきた方々に本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

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この記事を書いた人

緩和薬物療法認定薬剤師。

1978年に千葉県銚子市生まれ、地元高校へ進学。その後、日本大学薬学部へ入学。卒業後、地元の病院に就職。勤務2年目から緩和ケア病棟を専任し20年。その経験をもとに「病棟で出会った患者さんとの素敵なエピソード」、実際に経験をもとに「緩和ケアに関連する薬の使い方」など情報発信しています。

趣味はスポーツ、アウトドア。高校からラグビーを始め、現在は小学生を対象に銚子ラグビースクールのコーチを務めています。また、「庭で焚火を楽しんで、夜のベットで寝る」程度のアウトドアを楽しんでいます!もう一つのブログ「銚子のぬし釣り」では、その程度のアウトドア情報を発信しています。

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