がん終末期において、疼痛や呼吸困難の苦痛緩和目的にオピオイドは使用されます。
どうしても取り切れない苦痛がある場合、鎮静が検討されます。その時に使用される薬剤としては、オピオイドを増量するより、ミダゾラムを使用する方が、より安全に適正に使用できると考えます。
不快持続的鎮静に用いる第1選択薬はミダゾラムである。ミダゾラムが有効でない場合には、ほかの薬剤(フルニトラゼパム、バルビツール系薬剤、プロポフォールなど)を使用する。
苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン 2010年版
オピオイドは意識の低下をもたらす作用が弱く、かつ、蓄積により神経過敏症を生じ得るため、深い持続的鎮静に用いる主たる薬剤としては推奨しない。ただし、疼痛および呼吸困難を緩和するためには有効であるため併用してよい。
ミダゾラムは、浅い鎮静、深い鎮静、観血的鎮静にも用いることができます。静脈内持続投与の半減期は、1.9~3.2時間。個人差はありますが、持続時間は短いので比較的使いやすいです。また、48時間で耐性が生じ始める、アルコールに強い体質の方だと効きづらいと、医師より教えてもらいました。鎮静ではなく夜間の睡眠確保として、投与することもあります。ただ長期に使用することで耐性を生じていしまう可能性もあるので経口投与可能な場合は、まず内服薬で睡眠確保を試みるほうがよりよいと思います。
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