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【解説】どうしても苦痛が緩和できない場合、どの鎮静薬を選択しますか?

がん終末期において、疼痛や呼吸困難の苦痛緩和目的にオピオイドは使用されます。
どうしても取り切れない苦痛がある場合、鎮静が検討されます。その時に使用される薬剤としては、オピオイドを増量するより、ミダゾラムを使用する方が、より安全に適正に使用できると考えます。

不快持続的鎮静に用いる第1選択薬はミダゾラムである。ミダゾラムが有効でない場合には、ほかの薬剤(フルニトラゼパム、バルビツール系薬剤、プロポフォールなど)を使用する。
 オピオイドは意識の低下をもたらす作用が弱く、かつ、蓄積により神経過敏症を生じ得るため、深い持続的鎮静に用いる主たる薬剤としては推奨しない。ただし、疼痛および呼吸困難を緩和するためには有効であるため併用してよい。

苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン 2010年版

ミダゾラムは、浅い鎮静、深い鎮静、観血的鎮静にも用いることができます。静脈内持続投与の半減期は、1.9~3.2時間。個人差はありますが、持続時間は短いので比較的使いやすいです。また、48時間で耐性が生じ始める、アルコールに強い体質の方だと効きづらいと、医師より教えてもらいました。鎮静ではなく夜間の睡眠確保として、投与することもあります。ただ長期に使用することで耐性を生じていしまう可能性もあるので経口投与可能な場合は、まず内服薬で睡眠確保を試みるほうがよりよいと思います。

草冠に楽.blog
【解説】最近の睡眠薬事情が10年前と変わってきているんです!薬剤師が解説します。 | 草冠に楽.blog 自己紹介 こんにちわ、iwata(@iwamegane)です。薬剤師として緩和ケア病棟を専任し19年。その経験をもとに、患者さんとのエピソード、緩和ケアに関連する薬について情報発信...



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この記事を書いた人

緩和薬物療法認定薬剤師。

1978年に千葉県銚子市生まれ、地元高校へ進学。その後、日本大学薬学部へ入学。卒業後、地元の病院に就職。勤務2年目から緩和ケア病棟を専任し20年。その経験をもとに「病棟で出会った患者さんとの素敵なエピソード」、実際に経験をもとに「緩和ケアに関連する薬の使い方」など情報発信しています。

趣味はスポーツ、アウトドア。高校からラグビーを始め、現在は小学生を対象に銚子ラグビースクールのコーチを務めています。また、「庭で焚火を楽しんで、夜のベットで寝る」程度のアウトドアを楽しんでいます!もう一つのブログ「銚子のぬし釣り」では、その程度のアウトドア情報を発信しています。

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