非がんの患者さんに使えるオピオイドありますか。
本記事では、上記のような悩みを解決します。
こんにちわ、iwata(@iwamegane)です。薬剤師として緩和ケア病棟を専任し19年。その経験をもとに、患者さんとのエピソード、緩和ケアに関連する薬について情報発信しています。
慢性疼痛に適応があるオピオイド
- デュロテップパッチMTパッチ(2010年10月)
- ワンデュロパッチ(2013年12月)
- フェンタニルテープ(2014年6月)
- オキシコドンTR錠(2022年10月)
これらのオピオイドは、発売当初はがん性疼痛のみの適応でしたが、その後に慢性疼痛へ適応を拡大しています。
慢性的な疼痛に使用されますので、長期的に使用します。適切な管理、乱用、副作用の防止が求められています。慢性疼痛の診断、治療に精通した医師のみ処方することになっています。
慢性疼痛に対して、上記のオピオイドを処方したい場合、処方する医師はeラーニングを受講し、登録する必要があります。また、調剤を受ける保険薬局は、登録されている医師かどうか確認する必要があります。麻酔科の医師は登録していますが、自分の勤務している病院ではまだまだ登録している医師は少ないです。
モルヒネ原末の適応について
激しい疼痛時における鎮痛・鎮静
激しい咳嗽発作における鎮咳
激しい下痢症状の改善 他
モルヒネ錠、モルヒネ原末、モルヒネ注射薬
そこで、昔から使用経験があるモルヒネ効能効果は、がんの痛みではなく「激しい痛み」となっています。内服が出来るのであれば、非がん性の痛みであれば、モルヒネの錠剤か原末を勧めました。
モルヒネ錠10mgを1日3回、頓服としてモルヒネ原末5mgにて処方されました。ちなみに、モルヒネはとても苦いので精製水と単シロップを混ぜた「モルヒネ水」としました。
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モルヒネ5mg
精製水 3mL
単シロップ 2mL
1回5mL 疼痛時 10回分
単シロップは、2~3割程度入れておきます。ちなみに、モルヒネ1gは水17.5mLに溶けます。5mgは0.1mLくらいで溶ける計算です。意外と水に溶けます。でも、溶けづらいのです。ガラス棒などで、ぐりぐりと溶かします。タブーな方法ですが、僕はモルヒネ原末と精製水を薬瓶に入れてしまい、激しく振っちゃいます!
色々なオピオイドは世の中に出てきますが、昔から使われているモルヒネは今でも活躍する場面へ遭遇します。
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