レスキュー何をえればいいだろう?
本記事では、上記のような悩みを解決します。
こんにちわ、iwata(@iwamegane)です。薬剤師として緩和ケア病棟を専任し20年。その経験をもとに、患者さんとのエピソード、緩和ケアに関連する薬について情報発信しています。
突出痛とレスキュー
定期的に投与しているオピオイド鎮痛薬(ベース)を服用し、疼痛コントロールを図っている時に突発的に出る疼痛を突出痛といいます。その突出痛に対して、オピオイド即効性製剤を疼痛時頓用で使います。この即効性のオピオイドをレスキューと言われています。
レスキューの用量はどうやって決めるの?
定期的に服用している用量の1/6程度、もしくは10~20%量を目安に、1回量を決めます。
基本的に、ベースとレスキューは同じ成分にします。(例外あり)
オキシコンチン®錠を1日30mg服用していたら、オキノーム®散5mgを使います。基本的にベースとレスキューは同じ成分の製剤を使います。
- 2種類より、1種類の方が副作用リスクが少ない
- ベースやレスキュー量を考える時に、計算しやすい。
Q&A
緩和ケア病棟で看護師さん向けにオピオイド鎮痛薬を中心とした勉強会を行いました。その時にでた質問の回答です。
レスキューの種類
タペンタ®錠を服用していたら、レスキューは何を使いますか?
おすすめは、オキノーム散です。
タペンタドール製剤には、速報性製剤がありません。そこで、他の種類のレスキューを考えます。タペンタドール内服:オキシコドン内服=5:1ですので、タペンタ®錠を1日150mg服用している場合、オキシコンチン®錠に換算すると30mgと考え、その1/6をレスキューとするのでオキノーム®散5mgを使用します。
オプソ®液やナルラピド®錠はだめですか?
ぜんぜんOKです!
別に、どの種類のオピオイドの速報性製剤を使っても構いませんが、あえて異なる種類のオピオイドを使用する利点は少ないと思います。もし、呼吸困難がある場合は、モルヒネ、もしくはヒドロモルフォンを選択するとよいと思います。であれば、ベースもあえてのタペンタ®錠ではなくモルヒネ徐放性製剤に切り替えたほうがよいと思います。
タペンタ錠を選んだ理由
なんで、タペンタ®錠なんですか?
神経障害性の痛みがあるので選ばれました。
もしかすると、医師が慣れていて使いやすい薬なのかもしれません。理由があるとすれば、ノルアドレナリン再取り込み阻害による脊髄におけるノルアドレナリン性下行性痛覚抑制系を活性化することで痛みを抑える効果があるため神経障害性疼痛にあえて使用することがあります。
レスキューの決め方
- 定期投与(ベース)と頓服(レスキュー)は同成分
- レスキューは、ベースの1/6量、もしくは10~20%量を目安
- 呼吸困難はないか? (モルヒネが有効)
- 神経障害性疼痛はないか?
レスキューは痛みの強さによって、用量を検討します。かならず、1/6 を守らなくても大丈夫です。
緩和ケア病棟にて、年度初めに看護師さん向けに勉強会を依頼されます。10年以上前から、続けており同じような内容です。復習を兼ねてオピオイドの基本的な使い方、そして最近使われている薬剤などを題材にしています。病棟の研修会担当の看護師さんより、勉強会を受けての感想を頂きました。毎年、同じような事ではあるのですが、感謝の言葉を沢山頂きました。嬉しかったです、ありがとうございます!今後も、同じような内容ですが、病棟勉強会を継続していきたいと思います。
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