日本語のケシは、英語の「ポピー」と同じ意味とされています、英国ではポピーといえば、イギリス各地に自生しているヒナゲシとさしています。今回は、モルヒネを作る(精製する)原料となるアヘン、そのアヘンを採取するケシについて調べてみました。手術後の痛み、がんの痛みなど、医療用のモルヒネは痛み止めとして使われます。でも、不正に使用されているモルヒネもあり、まだまだ世の中の「モルヒネ」対するイメージはよくないです。モルヒネについて、正しい知識をしってもらい、正しく安全に使用されることを願っています。
モルヒネ精製について
モルヒネはケシから精製されます。ケシは日本において、「あへん法」によって栽培が禁止されています。薬として使われるモルヒネは、製造許可を持っている製薬会社が、アヘンを輸入し精製しています。モルヒネは天然物なんですね。人工的に作ることができません。一般人が簡単に精製することも難しいと思います。山で大麻を栽培していました!というニュースはたまにありますが自宅でモルヒネを精製していました!という話は聞かないですね・・・
[製造方法]
ケシ(2000本) → アヘン(1kg) → モルヒネ(200g)
[薬物取締法] 薬物四法
麻薬及び向精神薬取締法(モルヒネ、ヘロイン、コカイン、etc)
覚せい剤取締法 (メタンフェタミン、アンフェタミン、etc)
大麻取締法(マリファナ、ハシシ、etc)
あへん法(あへんの適正供給、けし栽培の規制)
ケシの見分け方
ケシの仲間には、観賞用として栽培されているものあります。しかし、法律で栽培が禁止されているものがあります。外観から、見分ける方法があります。といっても、僕もパッと見でわかりません。以下の資料から写真入りで詳しく確認できます。
「大麻のけしの見分け方」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/dl/taima.pdf
「不正なケシの見分け方」東京都健康安全研究センター
http://www.tokyo-eiken.go.jp/lb_iyaku/plant/tokyo-keshi/
[不正なケシの見分け方]
Q.葉や茎に毛は生えていないか?
A.不正なけしは無毛! 観賞用は剛毛!
Q.葉は茎を抱いていないか?
A.不正なけいしは茎を抱いている! 観賞用は抱いていない
Q.葉の切れこみが浅いか?
A.不正なけしは比較的浅い。観賞用は羽状に裂けてる
まとめると、
「葉の切れ込みが浅く無毛だが、茎を抱いている」 → 不正なケシ
「葉の切れ込みがあり剛毛だが、茎を抱いていない」 → 観賞用
イメージ的に、
「あっさりした見た目で、しれっと茎を抱いている」 → 不正なケシ
「剛毛でとげとげしい容姿だが、茎を抱いていない」 → 観賞用
ケシは見かけによらないということですね。
板東英二さんのおもしろいニュース
世界ふしぎ発見!で有名な板東英二はスポーツ紙の取材を受けて庭先で写真を撮ったらそれがケシの花で、掲載された翌日に警官が駆けつけてきたというニュースがあります。
このエピソードを緩和ケア病棟の看護師さん向けに行う勉強会にはじめに軽く話すのですが、終わってみると板東英二ことが気になって勉強会の内容が全然頭に入ってこなかったらしく勉強会の資料から消しました…。
アンパン「ケシの実」は合法です!
アンパンは、木村屋の創業者が考案され1874年(明治7年)から販売されています。販売当時から、あんぱんの上にごま(白ごま、黒ゴマ)、ケシの実がトッピングされ、中の餡の種類を見分ける目印だったそうです。こしあんはケシの実、つぶあんは黒ゴマ、白あんは白ごま、としていました。ちなみに、食用のケシの実は、麻薬を成分は含まれていません。また、発芽しないように加熱処理されています。
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